だけど好き 5




部屋に着くとベットに座らされた。
大ちゃんは立ったまま少し腰を下げ、俺を見下ろしてくる。
「潤・・・俺、お前の言う通り告白された。」
俺はそれを聞いた途端自分を押さえられなくなっていた。
「それで・・・その告白はOKしたんじゃん・・・!」
「は・・・ちょっと・・・」
「俺、大とずっと一緒に入れるって自惚れてた・・・!それで・・・春ちゃんと付き合うことになったら・・・
俺なんか要らないんだって思って・・・!俺・・・信じてたのに・・・!」
俺は後半何を言っているかさっぱり分からず、いつの間にか涙も浮かんでいた。
きっと俺の顔グシャグシャしてるんだろうな。

大ちゃんは俺の頭をまたくしゃくしゃ撫でた。
いつものように優しい笑顔で。
「お前って・・・本当、可愛いな。」
大ちゃんはそう言うといきなり俺を抱きしめた。
俺は驚きを隠せず目を見開かせた。顔が熱くなって湯気が見えても可笑しくないくらいだ。
「大ちゃん!?なっ・・・なっ・・・何して・・・!」
「いーから聞けって。お前の言ってることは半分当たってる。
でも俺はお前を裏切ってなんかないよ。今回だってちゃんと断ったもん。」
大ちゃんは言ってる間も俺を抱きしめる腕を緩めない。
いつも俺がやってることと何も変わらないはずなのに、何故かすごく緊張して心臓がばくばく動いた。
「え・・・今回もって・・・?」
俺がそう言うと大ちゃんがしくじったというような顔をした。
「何でもない!」
「わっ!」
いきなり飛びかかってきたので少しよろける。
お互い顔が見えないのに大ちゃんの存在がとても大きく感じられた。
「いつも・・・お前のこと想ってる・・・。昔も、今も。そして これからもだ・・・潤也。」
「大・・・。」
俺は思いっ切り抱きしめられて少し痛いくらいだった。でも嬉しさからか分からないが、俺も大ちゃんを抱きしめた。
お互いの体温が伝わってきて、俺のより少し安定した鼓動の音を聞いてるとすごく安心出来た。
「大・・・。俺、俺、信じてないって言って・・・ごめん。」
「俺がお前を裏切るなんて・・・そんなわけないだろ。」
「うんっ。やっぱり大には俺だけだもんな。」
俺は涙を拭って笑いながら大に抱きついた。
「言ってくれるじゃん。まぁ・・・その通りだけどな。」

俺はもう大がいなきゃ、生きられないかも。
俺は大にいっそう強く抱きついた。
すると大ちゃんは強く抱きしめていた腕を緩め、俺から少し離れた。
そして俺の顔の近くに顔を寄せて・・・唇が触れた。
「〜っ!!ちょ・・・ちょっと、大ちゃん!?」
俺はまたもや驚きせっかく落ち着いたと想った心臓が動き出してしまった。
俺の抵抗は空しく大ちゃんに肩を掴まれ固定されてしまっている。
「・・・んっ。・・・っあ・・・!」
お互い息が上がっているようだ。俺は大ちゃんにされるがままに大人しくキスをされていた。
俺が呼吸もまともに出来ず苦しんでいるのに対し、大ちゃんのこの余裕は何だろうか?
俺は一端大ちゃんから顔を話した。
「・・・だ、大ちゃん・・・って意外にキス魔だったの?」
俺が離れていって不満なのか、大ちゃんはすねるようにして言った。
「んなわけないじゃん。お前限定だよ。なぁ・・・潤。俺のこと好き?」
大ちゃんのこと?そりゃあもちろん・・・。
俺は昔から大のこの表情に弱くて、これで名前なんか呼ばれたりしたら・・・。
「潤也・・・?」
「う゛っ・・・うん。好き。」
負けた!!完全に俺の負けだ・・・。
そう思ったのを読み取られたのか大はニヤっと笑ってまたキスを再会した。

「俺も潤也のこと好きだ。だから・・・ごめん!」
へ・・・?

気付いた時にはもう遅く俺はベットに押し倒されていた。
大ちゃんはいつの間にか自分のシャツのボタンを緩めていて、肌が少し見える。
筋肉のついた立派な身体である。
俺は自分にはないその鍛えられた身体につい見とれてしまい、やっぱり大ちゃんは格好良いと再認識した。
「潤也・・・俺が怖い?」
・・・だから、その顔に弱いんだってば。
「・・・ぜんぜん。っーか、カッコイイ。」
俺は自分から手を伸ばした。
大の首に手をやり、自分の方に引きつけ唇を重ねた。
それを合図に大ちゃんは俺に噛みつくような荒いキスを返した。
やっぱ譲れねーなー。
ゴメン!春ちゃん。
色々考えてたはずなのにもうどうにでもなれといった感じがした。

それから後日、俺は俺の前で大ちゃんに春ちゃんの告白をもう一度断らせた。
春ちゃんはすこぶる俺のことを気にしていたけど、俺は一応勝者ってことで堂々とした気分になれた。
実に嫌な奴のようだが、こういう事ははっきりとさせておいた方が良い。

しかし、その後が結構大変で、大ちゃんは毎日のようにキスを求めてくるようになった。場合によってはキス以上のことも・・・。
別に俺は大ちゃんにならいつ、どこで、何をされても構わないんだけど。
まぁー・・・これって親友以上前進ってことかな?














「あ!大ちゃんv俺と賭しない?
「賭・・・?」
「うん!明日の学期末テストの合計点数が300いったら遊園地連れてって!」
「・・・(300・・・。)遊園地?・・・別に良いけど・・・。じゃあ、いかなかったら1日メイドな?笑」
「・・・。(めいど?)まぁ、いいや。よーし!約束ね!頑張るぞ!」
「えっ!?今から勉強するのか!?(もっといちゃいちゃしてたかったのに・・・!)」
「もちろん!大ちゃんも一緒に勉強しよ♪」
「・・・。(まぁ、潤と一緒に居られるならいっか・・・。)」