窓ぎわに降る雪 Change2




俺の教室は2-B。担任は新任教師の鈴城先生。
まだ少し寒いこの季節にYシャツの袖をまくっていて、見るからに熱血教師というのが分かる。
さっき、
「俺もこの学園に来てからそう経ってないんだ!お互い早く馴染めるように頑張ろうな!!」
と言われた。それと
「窓白の最初の友達は先生だからな。何でも話してくれ!!」
先生は笑いながら背中をバンバン叩いた。
俺は極力他人と関わり合いたくないし、熱血漢はどーも苦手だった。
今も自己紹介がどうとか張り切っている。
別にそんなコトはしなくても良いんだけど・・・。
教室前に行くと、まだ少し騒がしい。
最初に先生が入って何か話している。そしたら急に静になった。
緊張の一瞬。
「おい!転校生、入ってこい!」
鈴城先生の声。ずいぶんと張り切ってるな・・・。
はぁ・・・行くしかないんだろうな・・・。


教室に入ると皆の視線が一つに集まる。
つかつかと教卓の前に立って教室全体をを見た。
静まりかえる中に「白い」という言葉が聞こえた。
そんなに白いか?・・・俺って。
しばらくすると一気に皆が声を発した。
様々言っていたが、何一つ分からなかった。
「はいはい。静にしろ。転校生が困っているだろう。じゃあ、何か一言!」
一言・・・とりあえず、名前か・・・。
そう思って俺は黒板に白いチョークで「窓白 雪人」と書いた。
そして特に言うこともないなと思って頭を少し下げた。
それで 終わり。
「それだけで良いのか・・・?何かこう、好きなタイプとか・・・」
「・・・。」
男子校だっていうのにタイプなんて言ってどうするんだろう。俺はこれで良いと言うように頭を横に振った。
「そうか?じゃあ、みんな仲良くするよーに!席は・・・あそこか。おい!森狩!!仲良くな!!」
ん・・・?もりかり?珍しい名前。
と呼ばれた人物の方向を見ると短く切り込んだ髪、とぼけたような顔をしてキョトンとこっちを見てる・・・。
あいつ・・・どこかで・・・会った?
考えていた途中で先生に早く「席つけー」と言われたので急いでその席に向かった。
これ以上皆の前で注目されるのなんて、嫌だから。
席に着くと、隣から声がした。
「まどしろ・・・ゆき・・・ひと・・・?」
は?
・・・ゆきひと?誰だよ、そいつ!
まさか俺のことじゃない・・・わけないよな・・・。ありえない!
俺はつい言ってしまったんだ。
「せきと・・・!だ馬鹿。」 思いっきり言ってしまった。
そいつはポカンとしていたが、実にいい様だと思いながら席に着いた。


授業が始まって幾度かそいつとは目が合ったが、ばっちり睨み返してやった。
今思うとそいつはあの時文芸部部室前でペンを拾ってやったとぼけた奴だ・・・!忘れてたな・・・。
それにしても席が隣なんて先が思いやられるな・・・。
まぁ、俺には関係のないことだ。うん。


この学校って変な奴ばっかりだな・・・はぁ。

+fin+