月見の一時




今日は九月十四日。
窓白と月見をする事になった。

皿には色とりどりの月見団子が揃っていた。
みたらし、あんこに始まり緑はヨモギや緑黄色野菜、黒胡麻…。
こんなに種類があったのかという程団子を買ってきた。

月が天高に見え、まん丸い形をしていた。
今日は雲一つ霞無く最高の月見日和だ。
「俺、こんな本格的な月見とか初めて。窓白って毎年やってんの?」
「毎年っていうか…月見はある程度するものじゃないのか?」
窓白が月を見上げて言う。

「十五夜の月ってさー。あれだろ?良く見るとウサギが見えるんだろ?」
「ウサギ?あぁ…兎のように見えないでもないかもな…。兎が餅つきしてる感じだろ?」
「そうそう!だから小さい頃は月には兎が住んでるなんて言われて、信じてたんだよな。」
「普通そんなの信じるか?馬鹿だなぁ。」
「良いだろ、小さい頃なんだから。」

窓白と会えて、しかも二人っきりで月見が出来るなんて夢のようだと思った。
団子に酒が入って気分も最高だしな。

「だけど今日は十五夜なのに何で十四日に月見なんだ?明日やるもんじゃないのか?」
「んー…確か昔の旧暦では今日が十五夜という事になってるんだ…だからだろうな。」
「ふーん。旧暦ね。ま、昔の事は分からんが、なかなか楽しいもんだな。」
「そっか。良かった。」
わ・・・。
俺が油断してた時、窓白が見せた笑顔に心臓はばくばくだった。
だって実は月なんかより俺にとっては窓白のが何倍も綺麗に見えたから。
でもそれを言ったら怒るんだろうなぁ…。

それからしばらくして森狩が静かになった事に気付いた。
どうやら眠ってしまったらしい…。

「…俺もお前と見れたから・・・楽しいと思ったよ。」
深く傾いた頭をぽんぽんと叩き、自分の方に寄せた。
肩に少し高い肩が寄りかかった。
何か寝言を漏らしたが、良く聞こえなかった。




補足説明↓
十五夜ってなんで十五日にやらないのかは私も疑問です。
むしろ納得がいきません!

涼助は基本的に飽きてくると寝ます。(笑