無音の旋律




私を呼ぶ声は力強くて
希望を 未来を 光を含んでいる

それは まるでずっとそこにあったように
夜が明けて朝が来るように当然で
そして
絶望と灰色の世界を含んでいる

全て虚無のように感じるけれど、視界に映るものが現実ならば
木が水が風が
生命を持ち、色を持ち、光を抱いている
それらの光が眩しくてつい目を細めてしまう

それは素晴らしいことで
それは不思議なことで

耳をすますと小さな声が聞こえてくるのだ
それはいくつも重なり合い
やがて歌になる
酷く懐かしい歌に
その歌は忘れてしまったよ
時が進むのを止めてしまい
その中では歌うことが出来なかったから

君が私を呼ぶなら
もっと もっと
世界は輝くだろう
変わり続ける世界に置いて行かれたら
名前を呼んで欲しい
強く 強く 強く
呼んで欲しい

そのかわり
歌を歌うよ
言葉に出来ないから
歌をきいて

そして声は重なり合って歌を口ずさむ




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