Temptation operation 2




夏休みも半ば。
潤也は今日も飽きずに俺の隣で鼻歌なんか歌ってご機嫌のようだ。
もちろん潤也を外へ誘ったが無惨にも断られた。

「ねぇ、ねぇ!大〜。勉強なんて面白くないよ?」
「あのなぁ!本当にさぁ…。」

何かムカついてきた。
だって人がこんなに我慢の上に我慢を重ねて我慢の限界なのに。
なのに潤也は。
よーし、潤也に仕返ししてやる!
「も〜も〜!」
「うわっ!何だよ!」

俺は抵抗してはしゃぐ潤也の体をくすぐった。
すると手足をばたばたさせ、肩を上げて笑い声を上げる。
「あははははははっ!!やだっ・・・!くすぐったいってばぁ〜!!」
「もっとくすぐってやる!こら、待て!」

俺のくすぐりに耐えられなくなったのか目に涙まで浮かべて部屋中を転げ回った。
「あっ・・・!桃、危ない!!」


潤也が机に体当たりしたので、机の上のコップが落ちてしまった。
どうやら割れなかったようだが・・・。
どこかケガでもしてないだろうな!?
「おい、潤也 大丈夫か!?」
「う・・・うん。」
「・・・良かった。俺、お前に何かあったら・・・!」
潤也の肩を強く掴む。
コップが割れずにすんだので、ガラスの問題はなくて安心した。
「そんな・・・大げさな・・・。俺は大丈夫だけど、お茶こぼれちゃった。」
「ばか・・・お茶なんてどうでも・・・。・・・え?」

お茶がこぼれた?

「・・・うん。だから服とか濡れちゃった。」
「・・・っ!」

確かによく見ると、潤也の着ているTシャツの元の色とは違う色が出来ている。
それに・・・少し透けて、胸の位置が張り付いていた。

やばい。やばいやばい。
俺はその場所から視線を逸らした。

「ね、大ちゃん。」
「あ・・・いや・・・。」
「今 めぇ逸らしたでしょ!」
「い!いいや、何も見てないから!!」
「嘘だぁー!何で逸らしたんだよっ!」

何でって・・・。
そんなの、俺の理性を保つ為だって。


「あのね・・・大ちゃん。大ちゃんは俺が大ちゃんの事好きなの知ってるよね?」
「・・・ああ・・・。でも・・・。」

そうだ。
あの俺が告白された日。
自分が好きなのは俺だと、潤也に言われた。
これからももっと一緒にいたいのは俺だと。
でも・・・それは・・・俺の気持ちとは違うような気がしてた。
そう思い始めた時から次第にキスの回数も減って・・・。
「・・・怖いんだよ。桃の事を傷付けてしまいそうで。」
「・・・どういう事?」
「だから・・・俺はお前のこと、そういう・・・何て言うのかな・・・。」
「?」
「えー・・・っと。つまり!押し倒したいって方向だよ!」
「・・・。」

さすがの潤也もこの俺の発言には驚きを隠せないか、目を見開かせた。
が、直ぐに俺の予想を超えて笑顔を見せた。

「・・・うん。いーよ!俺・・・大ちゃんになら何されて良いって言ったよね?」
「い・・・言ったけど・・・。お前、怖くないの!?」
「何が?」
「何がって・・・。お、男に抱かれるってこと・・・とか。」
「ゆ・・・言うなよな〜何か恥ずかしいじゃん・・・!
別に怖くはないんだけど・・・覚悟あるし。」
「・・・覚悟?」
「うー・・・。覚悟って言ったら覚悟なんだよ!
・・・いい加減 手ぇ出すなりキスするなりしろよ!」

覚悟って・・・つまり・・・その覚悟って事だよな。
潤也もそういう事考えたりしてるんだ・・・。
そう思うと・・・何か嬉しい気がする。

軽く押し倒して、キスをした。



「・・・んんっ!あ・・・ちょっと待って・・・な、んでそこばっかり・・・!」
「俺潤也のここ好きだな。」

赤く色づいた胸の突起を舌で転がす。
先程からしつこくそこばかり舐めているから
もう赤く固くなりきってしまっている。

「ここ・・・いじると潤也の声、聞こえるし・・・。」
「・・・ん!っあ・・・!ああぅ。」
「気持ちよくない?」
「あ・・・ああぁ・・。わ、分かんな、ぁいって・・・ばぁ。」

「ん・・・もっと声聞かせて。」
俺がそう言うと、気付いたように手で口を覆ってしまう。
「こら。今更遅いっつの。手どけろよ。」
「ばか。恥ずかしい事言うからだろ。・・・俺、変な感じなんだもン。」
「そーか?でも可愛いよ。」
「だから・・・言うなってば〜。」

潤也は相当恥ずかしいのか口ばかりではなく、今度は顔全体を覆ってしまった。
俺の動くと、潤也の声があがる。
俺で感じてくれているのがすごく気分良い。

潤也の体温が感じられて、俺の体温も伝わって。
今まで生きてきて一番幸せな時かもしれない。
そう思うともう、俺は身体の熱を押さえる事が出来なくなっていた。