安心する言葉


いつもいつも俺達超人の為、地球の為に戦っているキン肉マン。
超人である彼の回復速度が速いとはいえ、生傷は絶えない。
俺はいつも肝心なところで役に立てないでいる。
だから・・・少しでも彼の側にいて彼を支えてやりたいんだ。

「テリー!膝貸してくれ!」
彼がいつもの無邪気な顔でそう言う。
「膝?休むならベッドで休めば良いじゃないか」
それに・・・どうして俺なんだ?
「テリーが一番安らげるんじゃ。細かい事は良いではないか!」
・・・俺にとっては細かい事ではないのだが・・・。

「・・・俺ので良ければ」


膝の上に頭を乗せ、身体を休ませる。
男の・・・しかも筋肉の付いた太股の膝枕等良いものか。
それでも自分の膝上で眠る彼は何だか楽しそうに見える。
俺はすごく恥ずかしいんだからな!・・・まったく。
こんな姿他の人達に見せられるわけもない。



「なぁ、テリー・・・いつもすまんの」
彼が急に口を開いた。
「・・・何だ急に」
「何だかんだ言ってもテリーには一番世話になってるからな」
急に真面目になったかと思えば、今度は照れ隠しのように笑った。

それから直ぐ寝息が聞こえてきた。
よほど疲れが溜まっていたらしくキン肉マンはどうやら深く眠ってしまっているらしい・・・。
彼の頭を撫でる。マスクのつるつるした感触。
彼の・・・マスクの下は?
一体どうなっているのだろう?

マスクに手をかけ少し捲ってみる。
まず尖った顎が見え、口元のところが露になる。

・・・ここから先は・・・さすがにマズイか?
一旦捲るのは止め、自分の方に彼の顎を寄せる。
そして後ろからの結構難しい体位からのキス。
触れるだけの・・・挨拶よりもウブなキス。


「・・・んっ」
彼が小さく身震いした。
「・・・ん〜、テリー?」
「うん、おはよう」
「って!マスク!」
彼は飛び起き、顔半分捲れてるマスクを慌て直した。
「あ・・・」
「テリーがやったのか?」
「あぁ・・・」
怒らせてしまっただろうか。怪訝そうな顔を向けている。
キン肉マンの・・・キン肉族がマスクを取り素顔を曝すことは死を意味するという。
「なぁ、キン肉マン。君の両親は互いに素顔を見合った事はあるのかい?」
「え・・・う〜む。わたし達キン肉族は素顔を曝した場合死ななくてはいけない。
多分わたしのパパママも例外ではないだろうな」
「・・・俺なら少し不安だ・・・」
「・・・テリー?・・・」
俺はつい黙り込んでしまった。
少しの間二人とも黙ったままだったが、キン肉マンが先に言葉を発した。
「のぅ!・・・真に愛し合う二人は互いの素顔など分からなくても良いんじゃないかのぅ!」
「真の・・・愛・・・?」
真の愛とは・・・?
「そうじゃ!私のパパもママもマスクを取らずとも年中仲良くやってるし、私だって親の顔なんかちぃーっとも気にならん。」
「・・・キン肉マン・・・」
「まぁ、つまり・・・良く伝わらんと思うが・・・」
ごにょごにょと口ごもり、次の言葉を探しているようだ。

「おっ・・・俺も愛してるっ!」
衝動的に言葉が出る。彼の瞳を捉えて本気の視線を向けた。
君のご両親に負けないくらい俺だって・・・!
「・・・?その意気込みじゃ!」


多分気付いてないだろうけど、今日はとても良い言葉をもらったよ。
俺がキン肉マンの為になっているという言葉。
それと 真の愛だなんて・・・少し照れくさい言葉
その言葉を本人から聞けるなんて・・・。


寝直しという事だろうか、また俺の膝を枕にし始めた。
「あと30分くらい寝かせてくれ」
「・・・仕方ないなぁ」
しかし彼は眠りに着くことはなく、今度はずっと俺の膝の上で笑っていた。

Fin♦




拍手ありがとうございました!
初の肉小説です。テリー萌ですみまっする;;
設定とかよく分からない頃に書いたので少し不安・・・。
多少加筆しました。
090110